強要と選択の違い。自主性などについて。(Twitterのつぶやきまとめ)

外的圧力により強要されることと、内的動機に従い選択することの違いはいったいなんだろう?

  • その違いこそ自主性といった言葉で表されるものなのだろうけど。
  • それはつまり、自身の(心理的動機・感情を含めた)損得勘定が成立しているかどうかではないだろうか?
強要されている:
外的圧力により空気を読んだ行動をしなければならない→それに従う
選択している:
空気を読んだ行動を評価する環境がある→空気を読んだ方が得→それを選ぶ

上記の2つの捉え方は原因と結果は同じだが、心理ストレスが異なる。

  • ”しなければいけない→する”といった動機を外的要因に求める外注。これは手っ取り早く効果を上げることができるため便利であるが、反面心理的抵抗・ストレスの蓄積が大きい諸刃の剣となる。
  • 動機の外注は癖になる。状況や自身の意思に関係なく他人の指示や命令を直接の動機としてしまうようになる。
  • 同一の状況である人に「〜〜しなさい」と言われるか、「〜〜した方がいろいろ有利ですよ」と言われるか、という表現の違い。前者に対して特別のストレスを感じるというのなら、それは動機の外注の癖がついているということだろう。
  • 自身の感情・価値観を含めた包括的損得勘定を徹底・発達させていかなければ破綻を免れないのではないか。
  • 自発性・自主性と心理的ストレスの度合いは反比例の関係にある。誰もが「自分の選択」に対しては納得して行動するが外的圧力に強要されることのストレスを感じる。その正体とは自己の損得勘定の不明瞭さ・暗闇の中を右往左往することの不快さからくるものである。
  • そのような心理的ストレスから脱却する方法が自主性=包括的損得勘定の発達である

*包括的損得勘定を推し進めていくための3項目

  1. 自己の価値基準の明確化。
  2. それに基づく損得計算思考の常態化。
  3. 選択可能範囲外にある事柄に対する思考の放棄。

Twitterのつぶやきからまとめようとすると、取り留めがなくて難しいですね。

偽善者は社会に理不尽な努力を要請される心的障害を持った者である

 はい、こんにちわー。今回のエントリーのタイトル、批評っぽさと煽りっぽさがイイ感じでブレンドされてマイルドでダンディーにキまってませんかぁ!?あ、はい、どうでもいいですね。
 というわけで、今回のテーマは善と偽善です。この二つの違いについて、世間的に身近な話題であり様々な意見があると思いますが、このエントリーでは日本の民話を例に挙げて持論を述べてみたいと思います。

*日本の民話にみる、善と偽善

こぶとりじいさん
 あるところに、頬に大きな瘤(こぶ)のある隣どうしの二人の翁がいた。二人とも大きな瘤には困っていたが、片方は無欲で、もう片方は欲張りであった。ある日の晩、無欲な翁が夜更けに鬼の宴会に出くわし、踊りを披露すると鬼は大変に感心して酒とご馳走をすすめ、翌晩も来て踊るように命じ、明日来れば返してやると翁の大きな瘤を「すぽん」と傷も残さず取ってしまった。
 それを聞いた隣の欲張りな翁が、それなら自分の瘤も取ってもらおうと夜更けにその場所に出かけると、同じように鬼が宴会している。隣の翁も踊りを披露するが鬼が怖くて及び腰、どうにも鬼は気に入らない。とうとう鬼は怒って隣の翁から取り上げた瘤を欲張り翁のあいた頬に押し付けくっつけると去ってしまった。
 それから無欲な翁は邪魔な瘤がなくなって清々したが、欲張り翁は重い瘤を二つもぶら下げて難儀した。

(Wikipediaより引用。以下、このエントリーの便宜的に、無欲な爺さんを善者/隣の欲張りな爺さんを偽善者と捉えて考えます)
 このストーリーの基礎は『花咲か爺さん』や『舌切り雀』などこのほかの日本の民話でも同様に出てくる黄金パターンである。それらの話の流れの共通点をまとめると以下のようになります。

  1. 善者(=こぶとり爺さん)が普段の行いにより、物語を支配するシステム(=鬼)から予測し難い流れで報酬を受ける。
  2. 偽善者(=隣の欲張り爺さん)が善者の行動と結果を知って形ばかりの模倣を行うが、期待に反してひどい目に遭う。
  3. 結果、"善者、偽善者ともにその行動と心根に見合った報酬・罰"を物語を支配するシステムから受けることになりました。ちゃんちゃん。

 さて、それではこの日本民話の黄金パターンから善と偽善の違いを分析してみるとどうなるでしょうか。

物語世界における善/偽善区別の三項目

第一項:
善者は物語支配システムにより報酬が出ることを予期していなかった。偽善者はそれを予想していた。
第二項:
善者は道徳・倫理に反する行為を行わない。偽善者は畜生を殺したり旨い事を言って騙すなど法に触れない範囲で非倫理的行為を働く。
第三項:
善者は報酬を、偽善者は罰を、それぞれ物語支配システムから受ける。

 以上のように簡略化・純化された物語世界ではハッキリと善と偽善を区別することが出来ました。次の章ではこの三つの項目を踏まえて、現実世界にその判定基準を適応した場合どうなるかについて考えてみます。

*物語世界を内包する現実世界における、善と偽善

 物語には現実世界における法則やあるべき倫理・道徳を読者に伝える働きがあります。私たちは幼いころから絵本やアニメなどに接触する環境に置かれており、そういった物語の黄金パターンの中にある価値観を教えられて(悪く言えば刷り込まれて)善者は周りから好かれ最後には報酬を受け、偽善者は周りから嫌われ最後には罰を受けるという法則を周知させられるのです。つまり、物語世界のメタに位置する現実世界では善的行為に対して報酬が出ることを知らない者は存在し得ない、物語世界における善/偽善区別の第一項は成立することはないのです。
 このようにして常識として倫理的価値観と(善/偽善行為の把握しにくさによる偏りはあるが)報酬/罰が存在することが世の中に行き渡ったため、私たちは善者/偽善者を区別する方法をひとつ失うことになりました。そしてさらに、物語から学習した偽善者としての私たちは報酬を得るための近道・手抜きとしての非倫理的行為を巧妙に隠蔽または最小限にとどめることを覚えてしまい、区別する者としての私たちからはその"ズル"を発見することが困難になります(区別の第二項不成立)。
 以上から区別の第一項と第二項が不成立となり、物語世界を内包して高度な学習を施された登場人物で構成される現実世界においては、あたかも"進化の収斂"によりサメとシャチの判別が付けにくくなるように、
 善者と偽善者をその行為から区別することが困難になり、かつ区別することそのものの意味が薄弱になる。
 そしてそれでも区別を推し進めれば最終的には、ひとつ残された第三項だけを頼りにすることになる。それはつまり、すべての者が現実という物語の支配システムである社会から、善者だから報酬を受け/偽善者だから罰を受けるという真っ当な理屈から逆転した、報酬を受けるから善者/罰を受けるから偽善者といった暴力的断定をされることを意味する。日本の民話において、このような傾向は偽善者が物語支配システムの使者に対して直接害を及ぼす『花咲か爺さん』や『舌切り雀』より、鬼の絶大な力と気まぐれが物語のメインである『こぶとり爺さん』にうっすらと見えるのではないだろうか。

*偽善者の気持ちで考える、善と偽善

 前章で行為がレベルにおていは、善者と高度な偽善者が見た目上では等しくなることを述べた。それでは善と偽善の定義があやふやになる中で、そもそも翻って善なる行為・物語が推奨する倫理的価値観とはなんだろうか。それを明らかにするためには、先に個人の合理性と社会的利益について考える必要がある。
 本来、人は合理的な生き物である。自己の生存と快楽の最大化という明確な目的を持ち、その知恵が届く範囲でもっとも有効な行動を選択する動物である。しかし、個がその目的のために群れを作り、その群れが社会と呼べるほどの複雑な振る舞いをするに至ると、個と社会は調和と反発の関係の中で揺れ動くことになる。その原因は個としての合理的な行動は往々にして他者や社会全体の不利益となり、またそのような行動を制限するための明文化・明確化して規定できるルール=法律だけですくいあげることが事実上不可能ということにある。物語の登場人物=爺さん婆さんみんながみんな嘘つきであり、盗人であり、畜生殺しであり、妬み持ちであり、互いの有形/無形な財産の陰湿な削り合いに終始することになる。これではお話にならない。このような状況を打開するために生まれた概念が善であり倫理的価値観である。つまり、
 善・善的行為とは個の合理性を捨て社会共益的行動を取ることであり、そのような善的行為の規範の集まりが倫理的価値観である。
 以上のような前提をもって善者とは何か、その心理とは何かを考えると、その特殊性が浮き彫りになってくる。善者は外部からの圧力でしかなかった倫理的価値観を内部の目的・動機に取り込み、自分ではない者(=他者・社会)の喜びを自分の喜びと感じるような個を超越した(ある意味では変態的な)感性を獲得しているのである。この感性を獲得した善者は低い心理的抵抗感/高い心理的動機をもってたやすく善的行為を働くことが可能になる。このような善者が群れの中で一定割合を超えると、支配システムである社会はそれを維持・拡大するために(目につく範囲で気まぐれに)善的行為に報酬を/不善的行為に罰を与え始める。物語が生まれすべてが善に傾き出すのである。
 こうして善に基づいた倫理的支配システムが機能する物語発生後の社会において、旧来において一般的であった個の目的に従う者は一転して異質で特殊な存在として扱われ、いやおうなく偽善者として社会の要請により善的行為の実行と個の目的に沿わないことに由来する高い心理的抵抗感に苦しむのである。
 物語でひどい目に遭うのは、いつも隣の欲張り爺さんである。偽善者はかわいそうな人なので労わろう。

『思考の整理学』 外山滋比古著

 お茶の水女子大学の英文学の教授である著者が、教育や文学・情報整理術・思考法などについて述べている。
 一題6ページ程度、ぜんぶで200ページちょっと。理解しやすいように丁寧に書かれているのでさらっと読みやすい本になっていて、著者の考え方・思考法に触れることができる。ただ、近頃はブログで他に賢い人が書いた記事が(丁寧さはやや劣るが)いくらでも無料で読めるので、あえてこの本を定価で買う必要もないだろう。ブックオフなどの中古書店で100円くらいだと手ごろ感があると思います。僕は定価で買っちゃいました。


 以下、この本に出てきたキーワードを書き連ねたメモです。

  • 答えが存在する=収斂的発想=グライダー人間=自分で考えることができない
  • 答えが存在しない=拡散的発想=飛行機人間=自分で考えることができる
  • 漢文の素読・禅の考案=足がかりがないところから考える=未知の領域に体当たりで踏み込むこと
  • 自説と自説に近いものだけを肯定するより、諸説すべてを調和折衷させるような論述を目指す
  • 第二次的創造は触媒的創造であり、発想者の個性は異なる考えを結びつける基点としての存在にある/発想者自身に独創性があるわけではない
  • 難解な文章も速読することでバラバラだった言葉同士が繋がり理解できることがある=修辞的残像
  • 両者の相似性を見抜き問題を解決または説明する=アナロジー=例え話
  • 「セイロンの三王子」→セレンディピティ=思いがけない発見
  • スクラップ、メモ、ノート、メタ・ノート、つんどく法、忘れる
  • 結果に関係なく褒めると伸びる=ピグマリオン効果
  • 集団思考法ブレインストリーミング、ルールはすべての提案を否定せずに最多数のアイデアを引き出す


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安心四欲と行動の動機

(09.11.07加筆修正)
 人は安心するために生きています。ジョジョDIOも言ってました。というわけで、今回はテーマは安心。
 安心とはなんぞやについて思いをめぐらした結果、安心とは精神に根ざした四つの欲求であるというような気になりました。

安心四欲

  • 生きやすさ欲(目先の敵・障害がない)
  • 親しさ欲(家族、仲間、恋人。集団に対する所属)
  • 偉さ欲(他者、他集団より優れる。序列の優位に立つ)
  • 正しさ欲(周りを見渡せている。間違いのない規則にしたがっている)

 安心四欲を考えた後から気付いたのですが、よく見るとマズローの欲求段階説(1.生理的欲求 2.安全の欲求 3.所属と愛の欲求 4.承認の欲求 5.自己実現の欲求)と共通する項目が多く似ています。マズロー欲求段階説と安心四欲を比較した場合の違いは以下の4つになります。

  • 身体に基づくものである生理的欲求を除外
  • 正しさ欲がある
  • 自己実現を四欲がすべて満たされた状態として項目から省く
  • 低次や高次といった階層的な概念ではなく基本的に四欲は並列の存在

 どの欲を満たしても安心を得ることができるがそれは基本的には短期的なものであり、長期的に個人の安心・不安感はもっとも不足している欲によって決定されるという性質を持っている。これにより、自身の不安がどの欲の不充足によって成り立っていることを理解しないと、他の欲に偏って安心感を得ようとして不合理な行動を繰り返すことになる。(例:他者と親しくできないことに不安を感じながら、それを偉そうな態度を取ることで安心感を満たそうとする)
 この考え方のポイントは精神的欲求=安心に焦点を当て、各欲求の充足・不充足と短期・長期における総合的な安心感の関係を意識することで、自身の不足する欲求を明らかにして各欲求のバランスがとれた心理的充足を目指すという視点にあります。
(09.12.01追記)『7つの習慣 最優先事項』という自己啓発書において、「四つのニーズ」という名前で安心四欲とほとんど同じ内容が述べられていました。

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 おまけで安心について考えたついでに、人の行動の動機についても自分なりにまとめられるんじゃないかと思ったので書いておきます。行動の動機は必ず以下のいづれかまたは複数に当てはまるとします。また心理的強制力が強い順に一番から並べています。

動機序列

  1. 生理的欲求
  2. 安心四欲
  3. 興奮・快感およびリラックスの獲得
  4. 習慣・強迫観念
  5. 実利を求める理性的判断

 この動機序列での主張をまとめると以下のようになります。

  • 安心四欲が食べる・寝る・排泄するなど生理的欲求に次ぐ大きな動機である。
  • それに対して理性的判断はもっとも弱い動機であり、安心欲求の軌道修正に対して理性的判断のみのアプローチは上手くない。
  • その対策としては理性より上位である興奮や習慣を利用すべきである。

 以上、まだ思いつきの段階なんで、ツッコミ募集中です。

現実って何だろう

現実って何だろう。苦しみの代名詞か。そうすると人生を充実して過ごす者には現実が存在しないのか。生産性こそ現実か。しかし生産性のない空想も、求められれば価値を持つ。
現実って何だろう。人が現実か。人が生み出したものは空想か。物・情報・肉体・言葉・文化・心、なにが作り物でなにが人。
妄想でないものが現実か。頭の中だけクルクル回るものが妄想、感覚のみが現実でそうすると自分も妄想で妄想が現実を見ているのか。
すべて妄想と現実っぽい妄想で現実とは重なることはないのか。

『フランスの子育てが、日本よりも10倍楽な理由』 横田増生著

 はーい、こんにちわー。今、時代は少子化です。猫も杓子も少子化です。少子化を語れなきゃ人間に非ず!というわけで、もう日本で定番な話題である少子化について、ちょろっと知識を仕入れて、ちょろっと偉そうなことをいうために本を読みました。もうすぐ魔法使いになりそうな僕ごときは、少子化本読む前に『30歳の保健体育』でも読んでろって感じですが。まあ、読む人間はともかく本の方はわりと面白かったです。


 著者の横田増生氏はアマゾンピックアップのアルバイトの経験を元にした『アマゾン・ドット・コムの光と影』を書いたルポライターで、本著では2004年から2008年の四年の間フランスで主夫として生活した経験といくつかの家庭に対するインタビュー、統計・政策から見た日本とフランスの違いがまとめられている。この人、きほん体当たりですね。
 フランスは80年代まで日本と同様に出生率は低下していたが、その後反転して2006年には出生率2.0の大台に乗り、その後も先進国の中でも高い数値を維持している。本著ではフランスの出生率上昇の原因として3つの理由を挙げています。

  1. 所得格差が低い
  2. 男女格差が低い
  3. 仕事か家庭かの二者択一を迫られない

1.所得格差が低い

  • 低所得者向けに通常の家賃の半分以下で住めるアッシュ・エル・エムと呼ばれる自治体運営の福祉住宅がある。
  • 日本の児童手当にあたるフランスの家族手当の支給額は子どもが2人の場合で四倍、5人の場合で八倍近くになりかなり手厚い。
  • そのような手厚い家族支援の主な財源は企業が労働者の賃金に5%強上乗せして払う税金でまかなわれている。
  • 一方、日本ではそういった福祉の役割は企業に任され、子育ては公的な支援を当てにせず"自己責任"でやるという風潮が強い。
  • フランスの可処分所得による相対貧困率は6.0%。対する日本は13.5%。フランスは所得の再分配機能が強く働いている。日本は逆にその機能が弱く、すでに十分過ぎるほどに「小さな政府」である。(OECD対日経済報告書2006年)
  • 驚くべきことに日本では子どもの貧困率所得再分配後に増加する。これは福祉で受け取れる額よりも税金で引かれる額が大きいということであり、貧しい家庭の子は貧しくなる構図を作り出し、貧困層の固定化を招いている。
  • 日本では社会保障費の7割が高齢者向けの年金や健康保険に向けられ、子どもを持つ家庭や低所得者・失業者への割り当ては低く抑えられている。

2.男女格差が低い

  • 週35時間労働や父親休暇などで男性が家庭に参加する時間を十分に持てる。
  • フェミニズム運動を受け、70年代以降女性の仕事・育児・出産に関する法整備が進む。(この中にはピル解禁や人工中絶の合法化も含まれ、女性の自ら意思による産む選択が尊重されている)
  • フランスでは日本のように妻に給料袋を預けるという習慣がなく、自由になるお金を手に入れるためという女性の社会進出に対する強い動機がある。

3.仕事が家庭かの二者択一を迫られない

  • 著者はマズロー欲求段階説から夫婦それぞれに家庭と仕事の両立の充実が幸福の条件であるとしている。
  • 日本ではいまだに女性管理職の割合は10%程度と低く、「玉の輿」による出世やパラサイト・シングルの延長としての専業主婦願望が女性の中でも根強い。
  • 日本の長時間労働は仕事と家庭の両立を阻み、多くの子どもを持つことを難しくしている。

 本著は構成がやや変則的でインタビューや著者個人の経験の話(親としてどうあるべきか)など、一部統計・政策との繋がりが微妙なところがありますが、その分子育て現場の空気感や文化、考え方の違いはよく伝わってきました。また少子化とは直接関係ありませんが、アメリカでは裁判、フランスではデモやストライキが盛んに行われるが日本にはそういった民意を直接政策に反映させる手段が存在しないという意見は本著の中でも印象的でした。


(追記 2009.11.16)
 本著では深く触れられていませんでしたが、このようなフランスの子育て環境は低賃金で働く移民によって支えられているという話もあるようです。

フランスの子育てが、日本よりも10倍楽な理由
フランスの子育てが、日本よりも10倍楽な理由
おすすめ平均
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stars少子化問題初心者にもわかりやすい
stars子育てのあり方についてのエッセイ
stars相反してるようで子育てと労働問題の軸は同じ
stars日本はずっと前から自己責任社会だということを認識させられた

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